学生寮の門番は2人の巨漢
Posted by Wilson Cham | Posted in カテゴリ【学生寮】の一覧2010-08-052010-08-05 2010-08-05 2010-08-05 2010-08-05
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知り合いの学生の住まいを訪れることになった。
同乗したタクシーがついたのは無愛想なビジネスホテルのような建物だった。
玄関にかかる某大学の柔道部合宿所と言う看板に、柔道部員が多いけど普通の学生寮だという説明も、ガラス越しに見える靴脱ぎに立つ2人の男の体格と姿勢、値踏みするような視線の圧力を緩めてはくれなかった。
厚いガラス扉を開けると挨拶の声が響き、筋肉の塊が音も無く上履きを並べ、不動の姿勢に戻った。
虎口に立つとは、このような気分なのだろうか。
足が映りそうに磨き込まれた廊下を歩き出し、振り返ると男たちの姿は無かった。
知り合いの部屋は、一人暮らしの男子学生の部屋としては広めで清潔な印象だった。
この学生寮は寮生が自分たちで掃除してるんだ、と照れながら説明する姿に少し安堵したのはなぜだったのだろう。
名を名乗り、失礼します、と声とともに部屋のドアが開いた。
広めの部屋を狭く感じさせる巨漢が小さなお盆に茶碗とお菓子を載せて現れた。
知り合いは巨漢が目に入らぬような態度で私との会話を続ける。
巨漢が部屋を出ると、1回生は礼儀知らずですまない、詫びた。
他愛の無い話の流れで、この学生寮には柔道部員以外も入寮するのだが1年経たずに出て行ってしまうので空き室があるという話になった。
この部屋も2人部屋だったのだが、この2年は1人で使っているそうだ。
なぜ一般学生が居着かないのか理解できないそうだ。
その説明を求めているのは分かったが、説明する勇気を持てないまま時を過ごした。
1回生の車で送らせるという申し出を断り、2人の巨漢の間に立つ知り合いに見送られ学生寮を出た。
彼のさびしそうな笑顔がつらかった。